UFO(未確認飛行物体)が実在するかどうかを考える際に、ドレイクの方程式とフェルミのパラドックスという2つの考え方が役に立ちます。
これらを使って、宇宙に知的生命体が存在する可能性と、それにまつわる謎について説明します。
National Archives, NATIONAL ARCHIVES, U.S. Air Force
まず、ドレイクの方程式について説明します。
この方程式は、アメリカの天文学者フランク・ドレイクが考えたものです。
銀河系の中にどれくらいの文明が存在するかを推定するためのものです。
方程式と言っても難しく考える必要はありません。
簡単に言うと、この方程式は「宇宙にどれくらいの星があって、その中にどれくらいの惑星があり、その中に生命が存在する確率がどれくらいか」という要素を組み合わせて計算するものです。
例えば、銀河系にはたくさんの星があり、その中には地球のように生命が存在する可能性のある惑星も多いと考えられます。
その中で、さらに知的な生命体がいて、私たちのように文明を発展させている星がいくつあるかを想像するのがドレイクの方程式の役割です。
この考え方からすると、宇宙にはたくさんの知的生命体がいてもおかしくない、という結論が導かれます。
もしそうであれば、彼らの中には地球を訪れてUFOとして目撃されることがあっても不思議ではないかもしれません。
次に、フェルミのパラドックスについて説明します。
これは、1950年に物理学者エンリコ・フェルミが提唱した疑問です。
彼は、「宇宙にたくさんの知的生命体がいるはずなのに、なぜその痕跡や証拠を見つけられないのか?」という疑問を投げかけました。
フェルミのパラドックスは、もし銀河系にたくさんの文明が存在しているなら、少なくともいくつかの文明が宇宙旅行をして地球に来ているはずなのに、なぜ私たちはその証拠を見つけられないのか、という矛盾を指摘しています。
この謎を解明するために、いくつかの仮説が提案されています。
例えば、
- 宇宙が広すぎるため、たとえ知的生命体が存在していても、その文明が地球に到達するまでには非常に長い時間がかかり、まだ接触がないという可能性があります。
- 技術的な制約があり、他の文明が宇宙旅行を実現できる技術を持っていないか、地球に到達する手段を持っていないかもしれません。
- 文明が自らを滅ぼしてしまうため、他の文明が存在しても、その寿命が短く、地球と接触する前に滅びてしまう可能性も考えられます。
カール・セーガンは、宇宙探査や天文学の普及に尽力したことで知られています。
彼の思想の中でも特に注目すべきは、宇宙における知的生命体の可能性と、人類がそのような生命体と遭遇する際の態度についての考え方です。
セーガンは、宇宙における知的生命体の存在を強く信じており、それが私たちにとって何を意味するのかについて深く考えました。
セーガンは、宇宙にたくさんの生命体が存在する可能性が高いことを信じていましたが、その文明の多くが自らを滅ぼしてしまうリスクについても警鐘を鳴らしていました。
彼は、人類がそのような運命をたどらないためには、平和的な解決策を常に模索し、争いを避けることが必要だと考えていました。
セーガンの言葉で有名なのは、「私たちはみな、宇宙の広大な海の中で同じ小さな船に乗っている」というもので、人類全体が一つの運命を共有しているということを強調しています。
もし私たちが他の知的生命体と接触する機会を得たとき、その文明がどのように進化してきたのか、そして彼らがどのように平和を維持しているのかを学ぶことができれば、人類にとって非常に大きな意味を持つでしょう。
しかし、そのためには、まず私たち自身がこの地球上で平和を築く必要があります。
争いや破壊を続ける限り、他の文明と友好的な接触を持つことは難しいでしょう。
ドレイクの方程式から考えると、宇宙には多くの知的生命体が存在する可能性が高いと考えられます。
もしそうであれば、その中には地球を訪れているものもあるかもしれません。
しかし、フェルミのパラドックスが示すように、私たちはまだその証拠を見つけていません。
UFOが実在するかどうかは、可能性として否定するのは難しいですが、現段階では決定的な証拠が不足しているため、その実在性を断定することはできません。
セーガンの言葉を借りれば、私たちが探求すべきなのは、地球上での平和な共存と、それを基盤にした宇宙への冒険です。
もし他の文明と接触する日が来たとき、その出会いが平和で豊かなものになるために、私たち自身が平和を実現することが不可欠です。
結論として、ドレイクの方程式は宇宙に知的生命体がたくさんいる可能性を示唆していますが、フェルミのパラドックスが示すように、私たちがそれらの存在を確認するのは非常に難しいということです。
UFOが実在するかどうかについては、可能性は否定できませんが、現段階では決定的な証拠が不足しているため、その実在性を断定することはできません。
そして、カール・セーガンの思想から学べることは、宇宙での平和な共存を目指す前に、まず地球上での平和を築くことの重要性です。